【伊豆の国市】美しく品格のある邑『韮山多田』 伝統行事「山の神講『二杯盛り』」に挑戦!

こんにちは!しずおか農山村サポーターむらサポです。

美しく品格のある邑『韮山多田』で、伝統行事の「二杯盛り」が行われるということで見学に行ったところ、ご飯をもりもり食べさせてもらいました!

伊豆の国市『韮山多田』では、400年以上前から伝統行事「山の講(二杯盛り)」が行われています。「山の講」を祭る文化は日本中にあるそうですが、この「二杯盛り」の文化は多田地区独自のもので非常に珍しいものです。

茶碗2杯分のごはんを1つの茶碗に盛ることを二杯盛りと呼びます(どんぶり茶碗の場合、通常の茶碗4杯分相当)。相当な量ではありますが、塩味の効いた茶飯なのでおいしくいただけます。お米は多田地域でつくっている「にこまる」で、当日の二杯盛りでは全部で一俵(60合)が使用され、なんと完食でした。

二杯盛りの起源については、代々熊野神社の神職を務めていた梅原家の祖先梅原実正が健康で働き者で103歳まで生きたことにあやかって元亀2年(1572年)に始まったとも、「2人分の飯を食って、2人分働け」という意味だとも言われています。

年2回、1月と9月に行われるこの行事は、五穀豊穣の祈念を大山氏神と天照大神に拝礼した後、「ちらし」と呼ばれる夕食会が18時から始まります。地元のお母さんたちが作ったたくさんの美味しいおかずを食べながら、御神酒を酌み交わし、19時になると「二杯盛り」が登場します。おかずでお腹がふくれた後の、二杯分です。昔は全員がどんぶり茶碗で食べ、残す事は許されず完食するまで終わりませんでしたが、現在はルールが緩和されています。

当初は、二杯盛りはその年に新築した家で行われており、二杯盛りの後、庭先で相撲をとっていましたが、時代の変化と共に(大勢の人が集まって二杯盛りや相撲をとるほどの家もなくなった)少しずつ形状が変わり、現在は公民館で開催されています。400年の歴史の中でやむを得ず途切れた期間もありますが、地域の人々によって復活され、現在まで継承されています。

「伝統行事」を行うには、常に関係者の方々の努力や苦労が伴っています。それでも、小学生から年配の方々までが一堂に会し、共に「いただきます」と「ごちそうさま」を言い、終始笑いがたえないこの食事会の場にいると、地域の文化としてこの行事が定着していることは素晴らしいと思いました。

飛び入りの参加でも温かく迎えてくれ、豪華な食事、そして楽しい時間を共有してくださった多田地区のみなさま、ありがとうございました。