静岡市葵区水見色地区で活動する山中里絵さんの紹介

人が訪れる場をつくり 街と邑の架け橋に

※2022年2月に発行された「むらのおと2022冬号」に掲載されている「キラリ★邑びと」のコーナーに、坂本サジットさんと山中里絵さんのインタビューを掲載しています(サジットさんさんのインタビューはこちらからお読みいただけます)。
ここでは、載せきれなかった分も含めて掲載します。
ぜひお読みください。

山中里絵さん
(地域おこし協力隊)

■念願だった水見色への移住

 2021年4月から地域おこし協力隊として水見色に移住してきた山中里絵さん。東京都出身の山中さんと水見色との関わりはすでに10年近く。東京農業大学に通っていた山中さんは大学3年生の時、実習でお茶時期にお手伝いに来ていたことから始まります。大学時代のお付き合いは2年ほどではありましたが、水見色に対する思いは強く、その後もお茶時期になると大学時代の同級生とお手伝いに来ていました。

田舎に住みたいという思いはずっとあったという山中さん。しかし、現実問題として住む場所や仕事などを考えるとなかなか踏み切ることができませんでした。その後中藁科地区が地域おこし協力隊の募集をすると聞き、「ちょうど30歳の節目だったのと、これからの人生どう生きていこうっていうのを考えていたタイミングだったので、私以外に誰がやる!という気持ちで応募しました」と山中さんは言います。

■きらく市の存続にも一役


山中さんが水見色の中でもお気に入りの場所「高山・市民の森」

 現在は、中藁科地区の協力隊として地域の活性化という使命を受けています。本来ならば活動の場を広げたいところですが、「コロナ禍のため地域イベントが相次いで中止となり地域のみなさんにお会いする機会がほとんどないんです」と山中さん。そんな中でも水見色小学校の運動会を見学するなど地域の方との交流を積極的に行い、「ここでの生活は幸せしかありません」と断言するほどやりがいを感じています。


「水見色を見渡せるこの場所が好きです」と山中さん

また、料理の提供や物産の販売などを行う「水見色きらく市」のお手伝いもしており、「きらく市はいろいろやりたい気持ちはありますが、高齢化が進み人手不足は深刻なんです。私一人の力でどうにもならないこともたくさんあります。きらく市を手伝ってくれる人や、水見色への移住者が増えてくれたら嬉しいですけど、いきなりは難しいと思うので、まずは水見色を知ってもらい、訪れてもらい、関わってくれる人の輪を大きくしていきたいと思っています。みんなの力で地域を盛り上げていきたいです」と言います。


きらく市で食べられるおでんや、きらく蕎麦。そば粉に蒟蒻を混ぜ込んで作ったお蕎麦もあります


きらく味噌が隠し味の手づくり味噌カレーと、きらく市のみなさん

きらく市が作られて今年で13年目。人が集えるようなお店があったらいいねという地域住民の意見を受けて、地元の人たちが作った場所です。「ここは地元のおかあさんたちが一生懸命作った場所です。水見色が活性化したのはきらく市の土台があるからだと思っています。おかあさんたちが手の届かないところを少しでもお手伝いしたいし、積み上げてきたものを少しでも続けていきたいです。水見色の中できらく市の存在ってすごく大きいので、何かお役に立てればという気持ちは強くあります」と山中さん。


こんにゃく作り中の山中さん

 地域おこし協力隊の任期である3年の間、様々な活動を通して水見色をはじめ、中藁科地区の活性化に取り組んでいきます。