恩地町で小学生とサツマイモ栽培体験!

浜松駅からすぐ。原風景を再生した邑
恩地町はもともと農家が共同作業で田植えや脱穀を行う田園風景が広がる邑でした。しかし経済発展や工業化に伴い、農業から離れる人が増加。農村環境をよくしたいという思いから、非農家が中心の恩地町環境みどり会は地域住民と約5か月かけて土地を再生させました。

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かつての荒れた耕作放棄地を再生。手作りの案山子が目印

遊休農地で地元の小学生がサツマイモづくり
恩地町では遊休農地や遊休畑を活用して、子供、地域住民、営農者それぞれがジャガイモやサツマイモ、そば等を栽培しています。特に幼稚園児や小学生、高校生を対象に行う野菜栽培実習は食育・里育として学校側からも好評です。芳川北小学校では7年間継続して実施され、毎年小学二年生がジャガイモの収穫やサツマイモの苗植え、つる上げ、収穫を行っています。小学生たちは約1か月前に苗植えした自分のサツマイモの成長ぶりに「こんなに大きくなるの!?」と大はしゃぎ。ちなみに収穫したサツマイモは蒸かし芋にして食べたり、家に持ち帰ったり、学校の給食(全校生徒分)としても大活躍です。
かつては、放置されたビニールハウスを覆うほど草木が生い茂っていた土地から、食育の輪が広がっていました。

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暑い季節にも関わらず畑を元気に走り回る芳川北小学校2年生。
養分がサツマイモに行き届くように「つる上げ」を丁寧に行います。

売り切れ御免!恩地町のみどり朝市
毎月第3日曜日には地域の農産品を直売する「みどり朝市」を開催。今秋で七年目を迎え、開催回数も80回を超えます。約30分で売り切れてしまうほどの人気ぶり。この「みどり朝市」には幼稚園児が百円を手に買い物勉強に来ることもあるそうです。世代をこえた町民の交流に温かみを感じます。

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恩地町みどり朝市は毎月第三日曜日9:00~!

「恩地町はすごい」他町が羨む邑のヒミツ
遊休農地や農用施設の保全、食育など一人では手の届かないところを地域でカバーする取り組みは容易ではありません。恩地町環境みどり会の見野閏一郎さんは、「自助・互助・公助を上手く合わせて本来あるべき姿を復元している」とおっしゃいます。実際に浜松市やJAの、景観花や遊休畑用の肥料の支給や、水路改良のための補助金制度を活用し、取組みを広く展開。活動開始から9年、突出した特産物のない邑でも輝き続けるヒミツ、それは世代や立場をこえた共同活動における絆にありました。

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年4回、芳川堤防の草刈りや菜の花の種まきを行い、恩地町の春を彩ります。
春と秋は公会堂前の沿道60mが花いっぱいになり、彩りも綺麗。

体験日  平成27年8月
場所   地域いきいき共生!恩地町環境みどり会(浜松市南区恩地町)
(編集協力/静岡時代)